過払い金返還についてのQ&A

過払い金返還請求について

Q消費者金融が会社更生法適用を申請しましたが

A過払い金返還について、最大限の注意が必要です。
消費者金融会社も、最高裁の判決で過払い金を支払わなければならなくなって以来、消費者金融会社の経営が悪化するところが出てまいりました。
そんな中、平成22年9月28日の報道では、この日の午後、株式会社武富士が、東京地裁(民事第8部。通称商事部)に会社更生法の適用申請を行うことが明らかになりました(※同日申立済み。東京地裁平成22年(ミ)第12号。なお、同日、保全管理命令および包括的禁止命令も出ています)。

会社更生法は、債務を圧縮し、事業の建て直しを図る、民事再生法と並ぶ倒産法の一つです。

この債務圧縮の中には、過払い金債権も入るのです。
ですので、過払い金は、会社更生法の手続きの下では、全額は回収できないものと考えることになります。

回収の率は、管財人による発表を待たなければなりませんが、数多い顧客を抱え、歴史も長い会社ですので、過払い金は莫大な金額となっており、相当の圧縮を余儀なくされるかもしれません。

ここで問題になるのが、債権の届出です。
会社更生法適用が決定されますと、自分には更正会社にこのような債権(貸金等)があるという事を届け出る期間(債権届出期間)があります。この期間内に届出を行わない場合、失権(相手方金融会社に権利を主張できなくなる)してしまいます。

現在、既に過払い金の請求をされている方の場合、債権の届出を行えば済むのに対し、本来、計算すれば多額の過払い金があるにも関わらず、まだ借金があると思い込んで支払いを続けてしまい、期間内に届出を行わなかった場合、過払い金はどうなるのでしょうか?

これについては、株式会社ライフの会社更生の事例につき、最高裁(平成21年12月4日および平成22年6月4日)の判断が下りました。

この裁判については、様々な下級審判例があり、結論も様々でしたが、最高裁判決は、内容的には極めて明確な基準を挙げています。

すなわち、
①過払い金債権は、更正債権である。
②債権届出期間中に届出をしなかった債権は、画一的に失権する、というのが(旧)法の趣旨である。
③「従前通り取引ができます」等の発表をし、過払い金債権の届出について何も発表していなかったとしても、何ら信義則に違反しない。
③仮に、更正手続開始決定前に発生した過払い金について届出を必要とせず、失権の効果を及ぼさないとする扱いをしていたからと言って、事情が異なる場合にまで全て同じ扱いにしなければならない訳ではなく、会社側が失権の効力を主張することについては、他に権利の濫用に当たる理由、また信義則にも反する理由もない。

これらのことから確実に理解しなければならないのは、今、過払い金があると思われる方々は、速やかに任意整理に入って過払い金が幾らあるのかを確定して請求することです。そうでなければ、相当の理由がない限り、ある一定の基準日以前の過払い金については全額失権してしまい、回収できる過払い金がより減ってしまう可能性もあるのです。

なお、東京地裁によって、申立後、直ちに保全管理命令および包括的禁止命令が出ております。この保全管理命令により、現在訴訟中の方々は、訴訟手続きは、全て中断します。また、包括的禁止命令により、新たな強制執行手続きは禁止され、現在進行している強制執行手続きも、全て中断します。

今後は、債権届出を行い、原則として、会社更生法の手続きの中で権利を主張するしかなくなります。

※既に結審し判決を待つだけの方々は、判決日に言渡しのみが行われ、判決書は受領および送達されません。判決の確定が中断します。

このことをお読みになられ、ご理解頂けた方々は、速やかに専門家にご相談下さい。

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